ご由緒

御祭神/お祀りしている神様

「磐筒雄命」 ( いわつつおのみこと )
「磐筒雄命」(いわつつおのみこと)は伊邪那岐命が火の神、迦具土神を御刀で倒されたときにお生まれになった神様で、
智、仁、勇のすぐれたお力をお持ちになり、
殖産興業、厄難消除、学問芸術の神又特に火防の神として高い御神徳を発揚せられます。
「赤城姫命」(あかぎひめのみこと)
一説に「赤城姫命」(あかぎひめのみこと)は大胡氏の息女ともいわれていて、
旧別当は天台宗東叡山寛永寺末、赤輝山円明院当覚寺(江戸名所図会には東覚寺と記載)で同寺の本地仏は乗馬姿の地蔵尊でありました。
かつての神仏混淆の頃、赤城大明神の御神影であると称して当覚寺から氏子中へ頒布したことがあるので、
今なお折々氏子中の旧家に散見されるため、
当社の祭神である「磐筒雄命」(いわつつおのみこと)とはかかわりはないが、合殿とされています。

【例祭日】

9月19日

【御由緒】

伝承によれば、正安2年(1300年)、後伏見天皇の御代に、
群馬県赤城山麓の大胡の豪族であった大胡彦太郎重治が牛込に移住した時、
本国の鎮守であった赤城神社の御分霊をお祀りしたのが始まりと伝えられています。

その後、牛込早稲田の田島村(今の早稲田鶴巻町 元赤城神社の所在地)に鎮座していたお社を
寛正元年(1460年)に太田道潅が神威を尊んで、牛込台(今の牛込見付附近)に遷し、
さらに弘治元年(1555年)に、大胡宮内少輔(牛込氏)が現在の場所に遷したといわれています。
この牛込氏は、大胡氏の後裔にあたります。

天和3年(1683年)、徳川幕府は江戸大社の列に加え牛込の総鎮守と崇め、
「日枝神社」「神田明神」と共に、「江戸の三社」と称されました。
この三社による祭礼の際における山車、練物等は江戸城の竹橋から内堀に入り
半蔵門に出ることを許されていました。

その後、明治6年に郷社に列することになります。
しかし、街の発展に伴い電柱や電燈などの障害物ができたので、
盛観を極めた山車行列は明治32年の大祭が最後となりました。

【氏子地域】

赤城元町、赤城下町、神楽坂六丁目、横寺町、箪笥町、細工町、北町、
中町、南町、払方町、二十騎町、南山伏町、北山伏町、市ヶ谷山伏町、
南榎町、弁天町、東榎町、榎町、早稲田町、早稲田鶴巻町、山吹町、
東山吹町、中里町、天神町、天神東町、矢来町、矢来東町、矢来南町、
築地町、改代町、牛込水道町、西五軒町

【社殿】

江戸時代の資料によると、天保13年3月7日の午の刻(正午)通寺町(現神楽坂六丁目)附近から出火し、
強い南風のため赤城神社の御社殿が全焼したと記されています。

その後復興された神殿は
「拝殿の内部は格天井を組み花鳥を描き欄に唐土日本の人物及び奇禽異獣を彫る刀の妙神に入る」と
「新撰東京名所図会」にも載る如く実に壮麗なる御社殿だったといわれていますが、
残念なことに、その立派なお社も昭和20年4月13日夕刻の戦災により、ことごとく焼失してしまいました。

終戦後、昭和23年より復興の計画を立て昭和26年10月16日には本殿を竣功、
最終的に拝殿、幣殿ができあがったのは、復興計画から10有余年を経た昭和34年5月でした。

さらに現在の赤城神社は、
赤城神社再生プロジェクトとして平成22年9月の「本殿竣工例大祭」にて全ての工事を完了し、新しい姿となりました。
戦後復興出来ずにいた、神楽殿は「蛍雪さま」、出世の「おいなりさん」、病気平癒で人気の「八耳さま」、
東照宮の「葵さま」まで全てが再興されました。

境内の末社

『螢雪天神』

御祭神 菅原道真公
かつては横寺町に鎮座して朝日天満宮と称されていたが、明治9年に境内へと遷されたが戦火にて焼失しました。
平成17(2005)年10月旺文社の寄進により螢雪天神として復興しました。
神楽殿の中に御内陣を備えます。

『八耳神社』

御祭神 上宮之厩戸豊聰八耳命(うえのみやのうまやどのとよとやつみみのみこと) 別称 : 聖徳太子
合殿に大国主大神、丹生大神、菅原大神を祀ります。
昔の太子堂。戦火にて焼失したものを復興致しました。

『出世稲荷神社』

御祭神 宇迦御霊命(うかのみたまのみこと)
赤城神社がこの地に遷る以前から牛込の鎮守とされてきた地主神です。
かつては総朱塗の小祠でした。
現在は、近隣のサラリーマンの仕事の為のお参りが多く、人気を博しています。

『東照宮』

御祭神 徳川家康公
牛込西五軒町にあった天台宗宝蔵院に鎮座していたのですが、明治元年神仏混合を廃止された際に境内へ遷しました。

赤城神社を記した古文書

赤城神社を記した古文書は数多く残されていますが、にわかに信じられない説も多く存在しています。ご参考までにひとつご紹介いたします。

『日光山記』

下野国二荒山(今の日光)と、上野国赤城山の神が中の湖(中禅寺湖)をあらそい、二荒山の神はマムシになり、赤城の神はムカデの貌となり戦ったとありました。戦った場所が現在の日光国立公園内にある「戦場ヶ原」です。

赤城神社の兼務社

神社名(通称) 御祭神 例祭日 鎮座地
元赤城神社 磐筒雄命 9月19日 新宿区早稲田鶴巻町568
天祖神社 天照大神 9月16日 新宿区早稲田鶴巻町530
稲荷神社 倉稲魂命 2月初午 新宿区榎町56
北野神社(天神様) 菅原道真公 5月25日 新宿区天神町75-13
秋葉神社 迦具土神 12月19日 矢来町1